街中ではクリスマスのイルミネーションが輝き、冬の澄んだ空気が一層キラキラと感じられる季節になりました。
しかしその一方で、乾燥や静電気による髪の毛へのダメージが気になる時期でもあります。
肌や喉が乾燥しやすいのと同じように、ウィッグ(かつら)も冬の乾燥の影響を大きく受けます。
特に、
・人毛ウィッグが乾燥でパサつく
・人工毛ウィッグが静電気でチリつく
といったトラブルが増えるのも冬ならでは。
この記事では冬場のかつら(ウィッグ)のトラブルの原因とその予防策、改善策について紹介いたします。
かつら(ウィッグ)に使用される髪の毛の種類についての記事もぜひご覧ください。
静電気は人工毛がチリつく原因になります
かつら(ウィッグ)に使われている髪の毛は大きく分けると人毛と人工毛の二種類になります。
特に人工毛には静電気の影響を受けると毛がチリチリになるという性質があります。
したがって、カツラの髪の毛に静電気が溜まると…
・毛先がチリつく
・髪が広がる(立つ)
・絡まりやすくなる
といったトラブルの原因になります。

そして毛が絡みやすくなったウィッグ(かつら)を無理矢理ブラッシングすると抜け毛の原因になります。ウィッグ(かつら)の寿命が大幅に短くなってしまうので髪の毛のケアはとても大切です。
また、一度チリついた人工毛は元に戻りにくいため、「チリつく前の予防」こそが最重要ポイントです。
人工毛にはチリつく前の静電気対策
1.静電気防止剤入りのリペアコンディショナー
静電気対策として最初に取り入れたいのが、この専用リペアコンディショナー。

静電気防止剤が配合されており、
・静電気の発生を抑える
・適度に保湿しつつスタイリング
・ベタつかずサラッと仕上がる
と、冬の定番ケアとして非常に効果的です。
特に人工毛を配合したウィッグ(かつら)には必須アイテムと言えるほど相性抜群なので、冬場に限らず普段使いでもお勧めしたいアイテムです。
2.クッションブラシ(静電気防止カネブラシ)
こちらのクッションブラシもおすすめです。
ブラッシング時の摩擦も静電気の大きな原因。

このクッションブラシ(静電気防止カネブラシ)は、
・摩擦少なめで絡みにくい
・静電気抑制効果
・帯電した静電気を逃がす(放電)
などの効果が期待できるので、乾燥しやすい季節のブラッシングに最適です。
最近では髪の毛のツヤを出すためのクロムメッキを施した高級ブラシなど選択肢も充実しているので、そちらでのケアもおすすめです。
人毛のパサつきには保湿と保護で対抗
3.ヘアオイルで保湿(※洗い流しが必要)
人毛・人毛ミックスのウィッグには、お出かけ前のセット時に少量のヘアオイルをつけると保湿効果が高まり、静電気予防にもなります。

ただし重要なのはここ。
ヘアオイルは定期的に(毎日~数日に一回)シャンプーで洗い流しましょう。
オイルがついた状態で長期間放置していると油分が酸化して、人毛へのダメージの原因になることがあります。
「つけ過ぎず、こまめにリセット」がケアの基本です。
4.ヘアパック(つけ置きタイプ)で集中ケア
パサついた人毛のケアにおすすめなのが、つけ置きタイプのヘアパック(トリートメント)です。
・乾燥した人毛への集中的な保湿
・傷ついた髪表面(キューティクル)を保護
・自然なツヤと手触りが戻りやすい
といったメリットがあります。
お手入れ頻度の目安は数週間に一度~一か月に一度程度。普段のケアにプラスアルファで施す集中ケアといった位置づけです。
人毛を含むウィッグを長持ちさせたい方にはぜひ取り入れて欲しいスペシャルケアです。
5.髪に優しい正しいドライヤーの使い方
日々のお手入れの中で、ウィッグの髪の毛を乾かす機会がたくさんあります。髪の毛に優しい乾かし方のコツを少し意識するだけで、見違えるほどに髪質が変わります。

1.まずはタオルドライ、ゴシゴシ擦るのはNG
シャンプーやトリートメントの後、タオルでゴシゴシ擦るのは絶対にNGです。出来るだけ摩擦が生じないようにウィッグ全体をタオルで優しく包み、タオル越しに軽くポンポンと叩いて水気を取ります。
2.ドライヤーの温風で七割ぐらい乾かす
タオルドライで半乾きの状態になったら、(持っていれば)、INC-リペアコンディショナーを全体に軽く吹き付けてからドライヤーの温風で乾かします。最初は水気の残りやすい裏側から。五割ぐらい乾いたらボウズなどにセットしてブラッシングで毛流を整えながら表面の毛を乾かします。
3.最後の仕上げは冷風で
最後はドライヤーの冷風で乾かします。冷風を当てることで毛の表面のキューティクルが閉じ、ほど良く水分が髪の毛の内側にとどまります。
厳密にはウィッグ用に加工された人毛や耐熱人工毛は、頭皮から生えている本物の人毛とは違いますが、正しいドライヤーの使い方は共通です。
※ただし耐熱性能のない化学繊維を使用した人工毛に温風をあてると劣化するので注意が必要です。
ワンシーズンに一度はプロのケアを
ここまで冬のウィッグ(かつら)のお手入れ方法について説明をさせていただきましたが、全てをご自身ででケアするのは大変です。
なので、ワンシーズンに一度(もしくは半年に一度)は購入した店舗でのメンテナンスをおすすめします。
インクリーズヘアーではご購入いただいた製品の定期的な点検・メンテナンスをさせていただいております。
インクリーズヘアーのサロンでは…
・通常のクリーニングとヘアセット
・高温スチームによる毛流調整
・傷んだ人毛の集中ケア
・チリついた人工毛の矯正
・ウィッグの染め直し
・傷んだベースの応急処置
などのサービスが受けられます。
他社メーカー、多店舗でご購入の製品メンテナンスも可能ですので「購入した店舗がなくなってしまった」「お店が遠すぎて行きにくい」「通っているお店でメンテナンスを断られた」などでお困りの方は、気軽にインクリーズヘアーへご相談ください。
製品の素材や状態によっては対応できるメニューが限定されることもありますが、まずは電話やメール、LINE、お問い合わせフォームからご相談ください。

インクリーズヘアーは東京(中野・赤羽)、大阪、名古屋、新横浜、福岡、札幌、千葉の8拠点で営業しています。

【補足情報】服の素材にもご注意ください
ウィッグに静電気が移る原因として、意外と見逃せないのが「服との摩擦」です。特に冬場は重ね着や防寒のアイテムが増える分、静電気が発生しやすい衣類素材には注意が必要です。ナイロン、ウール、化学繊維(アクリルやポリエステル)を多く含んだ衣類は帯電しやすい性質があります。
【ナイロン】
フライトジャケットやキルティングのインナーなど幅広く使われます。軽量で風を通さない特性がある一方、摩擦によって強く帯電しやすい。
【ウール(羊毛)】
ニット帽やセーターなど、ウールも冬の定番ですが、その繊維の構造によって摩擦が起こりやすく静電気が溜まりやすい。
【アクリル・ポリエステルなど】
防寒着、フリースやマフラーなどによく使われる化学繊維。乾燥していると摩擦で帯電しやすい。ウィッグの人工毛の素材にも使われます。
上記の素材は静電気が発生しやすいグループです。

逆に静電気防止に効果が期待できるのは、コットン(綿)、ヘンプ(麻)、シルク(絹)などの天然天然素材です。これらは水分を保持しやすいため静電気が自然に放電されやすく、一般的に摩擦帯電が起きにくい素材だと言われています。
「すべてを天然素材でコーディネート」というわけにはいかないと思いますが、かつら・ウィッグの髪の毛を守る知識として、静電気が発生しやすい素材と静電気が発生しにくい素材を覚えておくことで冬場の静電気トラブルを軽減することが可能です。
冬のコーディネートの際には、素材の選び方をぜひ一度見直してみてください。





