男性ホルモンとAGAの関係とは【かつら屋さんのAGA入門③】

男性ホルモンとAGAの関係(テストステロン・5αリダクターゼ・DHT)

本記事は全10回シリーズ『かつら屋さんのAGA入門』の第3回です。

前回は、AGA(男性型脱毛症)の発症しやすさには遺伝的な体質が大きく関わっていることをお話ししました。では、その「遺伝的な体質」は、実際にどのようなプロセスを経て薄毛という結果につながっていくのでしょうか。そのカギを握るのが「男性ホルモン」の働きです。今回は、その過程に登場する3人の「キャラクター」を主役に、物語風にお伝えしていきます。

前回記事:第二回「AGAは誰から遺伝する?」はこちら

テストステロンのイメージイラスト

最初の登場キャラは「テストステロン」という名のこの物語の主人公です。
代表的な男性ホルモンで、たくましい筋肉や骨を作る身体への作用、やる気や集中力、競争心など、精神面への作用などがあるとされています。男性らしい心身を支える、いわば善玉の男性ホルモンです。

5αリダクターゼのイメージイラスト

キャラクターその2「5αリダクターゼ」。
体内でひっそりと働く酵素ですが、今回の物語では、主人公であるテストステロンの姿を変えてしまう呪いの仮面(マスク)のような役割を果たします。Ⅰ型とⅡ型の二種類あり、分布している場所が違います。

ジヒドロテストステロン(DHT)のイメージイラスト

その3は「DHT(ジヒドロテストステロン)」。実は善玉だったテストステロンが、5αリダクターゼと結合することによって姿を変えられた姿です。
AGAを進める直接の引き金となる、今回の物語の悪役です。
AGA以外にも前立腺肥大やニキビ、体臭を強める原因になるとされています。

※ここでの「善玉」「悪役」という表現は、あくまでAGA(薄毛)という一つの側面から見た役回りです。テストステロンもDHTも体にとって必要な働きを持つホルモンであり、医学的に一律に良い・悪いと決められるものではありません。今回はAGAの仕組みを分かりやすくお伝えするための、物語的な表現としてご理解ください。

これらが体の中でどのように関わり合い、薄毛という結果につながっていくのか。
前回の「遺伝」の話ともつながる部分があるので、順番に見ていきましょう。

男性ホルモンによるAGA進行のメカニズム

キャラクターが出そろったところで、実際に体の中で何が起きているのかを見ていきましょう。

テストステロンは悪者ではない

キャラ紹介でも述べたように、テストステロン(Testosterone)は男性の身体や精神に重要な役割を果たすホルモンです。主に精巣で生成され、男性の身体的特徴や性機能の発達に不可欠な要素となります。

いわば善玉の男性ホルモンですが、血中で5αリダクターゼと結合することにより、AGAの原因となるジヒドロテストステロン(DHT)に変換されてしまいます。

5αリダクターゼ(5α-還元酵素)

テストステロンをDHTに変換する触媒となる酵素です。Ⅰ型とⅡ型の二種類あり、それぞれ体内での分布場所や特徴が異なります。

Ⅰ型は主に皮脂腺や肝臓などに多く分布しているのに対し、Ⅱ型は頭皮(主にAGAの症状が出る前頭部と頭頂部)に分布しています。AGAにより深く関わっているのはⅡ型だとされています。

種類分布場所AGA以外に関連する症状
5αリダクターゼ
Ⅰ型
皮脂腺・皮膚・肝臓
側頭部・後頭部
脂性肌・ニキビ
5αリダクターゼ
Ⅱ型
前立腺・毛乳頭
前頭部・頭頂部
男性型脱毛症
前立腺肥大

AGAが進行するメカニズムを説明します。

頭皮近くの血液中を流れるテストステロンが頭皮付近に存在する5αリダクターゼと出会います。

テストステロンが5αリダクターゼと結合する漫画

5αリダクターゼが触媒となり、テストステロンの構造を変化させてしまいます。

テストステロンが変換されてDHTになってしまう漫画

そして、より強力な男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されます。

ジヒドロテストステロン(DHT)

変身を遂げたDHTは、毛根にある「アンドロゲン受容体(AR)」という場所と結合します。すると脱毛シグナル(TGF-β、DKK-1など)が産生され、毛母細胞の増殖が抑制されることでヘアサイクルが乱れ、成長期が短くなります。

DHTがアンドロゲン受容体(AR)と結合して髪の成長を止める漫画

本来、髪の毛は2~6年かけてじっくり太く長く育つものですが、この成長期が短くなると、髪が十分に育ちきる前に抜けてしまい、次に生えてくる髪も細く短いまま、という状態が繰り返されるようになります。

専門用語では「毛包のミニチュア化」と呼ばれ、髪を作る工場である毛包そのものが縮小してしまう現象を指します。

そしてやがて、休止期の毛根の割合が増えると生え際から頭頂部にかけての広い範囲で髪の毛が薄くなります。

これが、AGAの進行の正体です。

ここまで、テストステロンが5αリダクターゼによってDHTに変換され、そのDHTが毛乳頭付近のアンドロゲン受容体(AR)に結合することで、毛包の成長期が短くなっていくという一連の流れを見てきました。

実はこの「流れの強さ」を左右しているのが、第二回でお話しした遺伝の要素です。アンドロゲン受容体の感受性の高さや、5αリダクターゼの活性の強さには遺伝が大きく関わっています。同じ量のテストステロンを持っていても、受容体が敏感な人、酵素の働きが活発な人ほど、DHTの影響を受けやすくAGAが進行しやすいということです。

AGAに悩む男性の写真

つまり、第二回で解説した遺伝の話と、今回解説した「体の中で実際に何が起きているか」というホルモンのメカニズムの話は、一本の線でつながっています。遺伝によって決まった感受性の土台の上で、ホルモンの働きが実際に薄毛として現れてくる、というイメージです。

今回のポイントを整理します。

テストステロンは筋肉や骨、性機能、やる気や競争心などに関わる、男性が男性らしくあるために欠かすことのできないホルモンであり、それ自体が悪者というわけではないこと。

5αリダクターゼという酵素がテストステロンをDHTに変換してしまうこと。

そしてDHTがアンドロゲン受容体に結合することで、毛包が弱り、成長期が短くなっていくこと、の3点です。

遺伝も、ホルモンの働きも、自分の意思でコントロールできるものではありません。「体質だから仕方ない」と感じてしまうかもしれませんが、だからこそ正しく仕組みを知っておくことが、次の一歩を考えるうえで大切になります。

次回予告:AGA治療薬の種類とその効果

次回、第4回では「AGA治療薬の種類と効果」というテーマで、フィナステリド・デュタステリド(5αリダクターゼの働きを抑える薬)や、ミノキシジル(発毛を促す薬)について、それぞれどんな仕組みで効果を発揮するのかを解説していきます。

今回学んだホルモンのメカニズムが分かっていると、どのAGA治療薬がどこにどのように作用するのか、ぐっと理解しやすくなるはずです。

インクリーズヘアーカツラ・ウィッグなどを扱う、増毛専門のサロンです。
東京(中野・赤羽)、大阪、名古屋、新横浜、福岡、札幌、千葉、埼玉の9拠点で営業しています。

海、プール、サウナ、温泉などに完全対応したオーダーメイドかつら(部分タイプ)を税込68,200円という低価格で提供しています。

インクリーズヘアーのスタッフ写真

店舗には70種類以上のサンプルがあり、試着・相談は無料です。少しでもご興味をお持ちいただけたようでしたら、フリーダイヤルからでも問い合わせフォームからでも構いませんので、気軽にご連絡ください。

お電話お待ちしてます(全国共通フリーダイヤル)